内科病棟ってどんな病棟?
この項目では、内科病棟の特徴や業務内容についてご紹介します。
内科って具体的にどんな病棟?
急性期はやっぱり忙しい?
外科の経験しかないけど働けるかな?
急性期の内科病棟で実際に働いた経験をもとに説明します。
忙しい病棟ではありますが、様々なスキルが身に付きますよ!
【こんな人に読んでほしい!】
- 内科病棟・急性期に興味がある
- 内科病棟の業務が知りたい
- 病棟選びに迷っている新人・転職活動中の人
内科病棟の特徴
内科病棟は主に薬剤などを使用し身体内部からの治療を行います。
循環器・呼吸器・消化器・腎臓・脳神経・糖尿病など様々な科があります。
内科病棟の患者の特徴
- 患者さんは、消化器・循環器・呼吸器・糖尿病・透析患者などさまざま
- 高齢者が多く、認知症を合併している患者も多い
- 治療は主に点滴や内服
私の病棟によく入院していた患者さんについて説明していきます!
消化器内科の患者
胃がんやその検査・治療で入院する患者さんが多かったです。内視鏡検査をした際にポリープが発見された場合はそのまま切除術(ポリペクトミー)を行う場合もあります。
循環器内科の患者
心不全や不整脈などの検査や治療で入院する患者さんが多かったです。CAG(心臓カテーテル検査)やペースメーカー植え込み術などを行うこともあります。ほとんどの患者さんが入院時から心電図装着します。
呼吸器内科の患者
主に肺炎患者さんが入院しています。結核やコロナなどの感染症の対応をすることもあります。感染症疑いの場合は、感染経路に応じて隔離などの感染予防策を行います。
糖尿病内科の患者
血糖値のコントロールや教育入院の患者さんがおられます。食事指導・運動指導・薬剤指導などを行います。
透析患者
透析患者さんはさまざまな合併症を抱えている方が多いです。
透析導入や、通院中の透析患者さんが状態悪化で透析後に入院されることもあります。
内科病棟の業務内容
看護師の主な業務内容は大きくわけて以下の6つです。
- 検査前後の管理
- 点滴・内服管理
- 化学療法
- 救急入院の対応
- 教育入院(糖尿病患者の食事指導など)
- 退院支援
検査前後の管理(採血、胃カメラ、大腸カメラ、心臓カテーテル検査など)
内科患者は入院中に様々な検査を行います。1日あたりの採血人数も多いですし、胃カメラなどの内視鏡検査、心臓カテーテル検査など多数の検査があります。食事・飲水・安静度など制限があるので、検査がスムーズに進められるよう検査前後の管理が必要です。
点滴・内服管理
検査データから治療方針が決まります。内科病棟の治療内容は点滴や内服であることが多いです。
とくに内服薬は持参される薬も含めて大量に内服している患者さんがおり、薬剤師さんと協力して管理しています。
1日の点滴量は、私の病棟の場合、スーパーの買い物かご2~3個分くらいの量がありました。(たとえが微妙ですが、私の勤めていた病院は薬剤カートがなかったので、点滴用のかごにどっさり点滴が積まれてました…)。
化学療法
私の病院で化学療法を行うのは、主に消化器内科の患者さんでした。悪心嘔吐・倦怠感・脱毛・感染症にかかりやすくなるなど様々な副作用が起こるため、全身状態の観察と管理が必要になります。
医師・病棟看護師・外来看護師・緩和ケア認定看護師・栄養士・地域連携室など他職種と連携して治療を進めていきます。
救急入院の対応
肺炎、心不全、脳梗塞など様々な患者さんが救急入院されます。
私の病棟では、多いときは定期入院に加えて救急入院が3件以上入ることもありました。夜勤でも1~2件ほど緊急入院される患者さんがいました。
教育入院
主に糖尿病患者さんに対して、食事指導・運動指導・薬剤指導などを行っていました。患者さんの生活習慣を改善してもらうのは難しいですが、栄養士さんや薬剤師さんとも協力しながら行っています。
退院支援
入院時から治療と並行して退院支援を進めていきます。退院支援看護師やソーシャルワーカー、ケアマネジャーなど他職種と連携して行います。
急性期は検査や入院が多いと
どうしても忙しくなりますよね…
忙しいのは急性期内科のデメリットかも…
でも幅広い知識・技術は身に付きます!
内科病棟で必要な看護技術・身につけば他科でも使える!
点滴管理(ルートの確保・CV管理など)
1日あたりの点滴が多い=ルート確保の機会も多いです。高齢者ばかりなので難しい血管にあたることも多く、自然とルート確保の経験が積みあがっていきます。ルート確保が上手な看護師も多かったです。また、CV留置や管理方法も学べます。
輸液ポンプ・シリンジポンプも多量に使用していましたので、機械の取り扱いもすぐに慣れます。
心電図
循環器内科の患者さんで心電図モニターを学ぶことができます。私も心電図は苦手ですが、何人ものモニターを見ているうちに少しずつ分かることも増えました。実際の患者さんの心電図モニターを見て学ぶことが一番身に付きやすかったです。
採血データ
採血が多かったので自然と血液データを見ることが増えました。内臓機能の異常は目に見えてわからないので、検査値から患者さんの状態を読み取る能力が必要です。
栄養管理
栄養管理は必須です。疾患によっては食事や水分量を調整することで改善することもあります。患者さんの嗜好も踏まえつつ、治療が円滑に進められるよう血液データや体重推移を照らし合わせて栄養管理を行います。
急変対応
急性期病棟にいても、心臓マッサージや気管挿管などを実際に経験する場面は限られます。しかし、急変対応の研修が整えられている病院も多いと思いますので、学習する機会は多いです。
内科病棟の看護師・Q&A
私自身が転職前に気になったことです
実際に転職して働いた結果をお答えします!
内科病棟は急変が多い?対応できるか不安!
急変といっても大小さまざまかと思います。小さなものも含めれば急性期の内科病棟は急変が多いです。
急変と聞いてはじめに思いつくのは、意識レベル低下・呼吸してない→心マ!というような場面です。
私の勤めた病棟で、そういう最悪の事態が起こったのは年2~3回ほどでした。
整形外科で働いていた時よりは多いですが、思ったより少なかったです。
なぜなら、そうなる前に患者さんの訴えがあったり変化に気づいて対処することが多いからです。
例えば、バイタルサインの変動、胸が痛む、お腹が傷む、吐き気がする、モニター波形がいつもと違う、せん妄などです。
こういった様々な訴えや症状に対処しているうちに、アセスメントスキルが身についていくと思います。
急性期病棟は急変対応の研修が整えられているところも多いのでその点も安心です。
内科ドクターってどんな人?
私の勤めていた病院のドクターは個性的な方たちばかりで面白かったです。
消化器や呼吸器内科のドクターは優しくおっとりした人が多かったです。
循環器ドクターは仕事が早くサバサバした印象でした。
内科病棟はどんな人が向いている?
- 幅広い知識と技術を身に着けたい人(新人ナースにもおすすめ)
- 患者さんと長期的に関わりたい人
- 柔軟に対応できる人
- 患者教育を学びたい人
新人ナースが基本的な知識・技術を学ぶにはうってつけの環境だと思います。ただ、必ずしも急性期から学ばないといけないわけではないです。また、治療が長期になることが多いので、患者さんと長く関わりたい人には向いていると思います。
内科疾患の症状は多岐にわたるので、柔軟な対応が可能な人は即戦力になれますね。
生活指導も多いので、患者教育を学びたい人にも向いています。
外科病棟から内科病棟へ転職できる?
外科の経験しかないと不安ですよね。私もそうでした。
でも整形外科の経験しかなくても働くことは可能でした!
私自身、整形外科の経験しかなかったので、スキルアップのために内科病棟で働きたいと思い転職活動を始めました。
実際に働いてみると、未経験のことも多かったので戸惑いました。
しかし、同僚に助けてもらったり、時には先生を捕まえてわからないことを教えてもらっているうちに、少しずつ仕事を覚えていくことができました。
転職の目的を明確にし、指導環境が整っている病院を選ぶことが大切だと思います。そうすれば、内科病棟で働けると思います。
前職の経験が活かせる場面も多々ありますので、まずは病院探しや見学などから初めてみてください!
まとめ
- 内科病棟の患者は多岐にわたり、多忙であるが幅広い知識と技術が得られる
- 外科から内科への転職は可能
内科病棟の特徴をまとめてみました。様々な疾患があり、急性期だと忙しいイメージもあると思います。
私自身も、残業も多そうだし勉強大変そうだなと思って転職を躊躇した時期もありましたが、思い切って飛び込んでみてよかったと思っています。この体験が、内科や急性期の看護をしてみたいと思っている方の参考になっていれば幸いです。
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