整形外科病棟ってどんな病棟?
この項目では、整形外科病棟の特徴や業務内容についてご紹介します。
整形外科って骨折とか手術ばかり?
メインは手術ですが、他にも様々な業務があります
幅広い患者層と関われることも魅力です!
実際に経験したことを説明していきます
【こんな人に読んでほしい!】
- 整形外科・外科病棟に興味がある
- 整形外科・外科病棟の業務が知りたい
- 病棟選びに迷っている新人・転職活動中の人
外科病棟の特徴
外科はおもに手術を行います。外科病棟は専門分野だけだったり、混合病棟だったり病院によって違います。
専門分科は、消化器外科、心臓血管外科、脳神経外科、整形外科、小児外科などたくさんあります。
ここからは外科の中でも
整形外科で働いた経験について説明していきます
整形外科病棟の特徴
- 手術が多い
- 患者さんの回復過程がわかりやすい
- リハビリとの関わりが密
手術件数は多いです。私の経験した病棟では週3日手術日があり、1日あたり3件から多いときは7~8件の日もありました。多い日は1日に2件手術患者を受け持つこともありました。
手術を受ける患者さんは術後回復していく様子がわかりやすく、リハビリが終了すれば在宅復帰できる方が多い印象です。術直後は動けなかった患者さんが、数日後には車椅子に乗れたり歩けるようになったりと、目に見えて回復がわかる場面が多いのは整形外科のよいところです。病棟の雰囲気も内科病棟と比べると明るい印象でした。
リハビリで理学療法士や作業療法士との関わりが多いのも特徴です。病棟でのリハビリを看護師が行うこともありますので、リハビリの知識も身に付きます。
患者さんの特徴
整形外科病棟では手術で入院される患者さんが多いですが、それ以外にも化学療法やリハビリ目的で入院される患者さんもいます。また、大人だけでなく子供の入院もあり、幅広い年代の患者さんと関わることができます。
整形外科の患者さんは大人から子供まで幅広い!
- 手術を受ける患者さん
- がん治療を受ける患者さん
- 小児整形の患者さん
幅広い年代の方と
いろんな会話ができるのも楽しいです
手術を受ける患者さん
手術によっては長期の入院になることもありますが、術後経過に問題なければ一定の期間で退院することができます。高齢者や基礎疾患を持っている患者さんは術後管理に注意が必要です。
がん治療を受ける患者さん
整形外科にもがん患者さんがいます。骨や筋肉・脂肪などに腫瘍ができます。内臓から骨などに転移することもあります。化学療法で腫瘍を小さくしてから手術で取り除くことが多いです。1回の入院期間も長く、治療全体は年単位と長期間となります。整形外科での看取りは少ないですが、がん患者さんを看取ることはあります。
小児整形の患者さん
小児整形のある病院では股関節脱臼の治療などで0歳児から入院してくることがあります。子供の年代や成長発達に応じた対応が求められます。また、小児の場合は親とともに入院してくることも多いため、患児だけでなくその親との関わりも重要です。
小児科でないのに子供と関わる機会があり、成人との違いに戸惑うこともありますがとても癒されます!
整形外科病棟の業務内容
整形外科病棟の主な業務を以下にまとめました。
- 術前・術後の管理
- リハビリテーション
- 化学療法・放射線療法
- 救急入院の対応
- 退院支援
術前・術後の管理
股関節・膝関節・脊椎・肩関節など部位や症状に応じて様々な術式があります。それぞれ術後の細かい安静度があるため医師の指示を患者さんが守れるよう術前から説明を行います(術前オリエンテーション)。また、オペ出し(手術室に申し送りを行う)や、術式に応じた術後ベッドの作成を行います。
術後はバイタルサインの管理、心電図モニター・酸素マスク・ドレーン・フットポンプ・ギプスやシーネなどの管理、創部の観察、疼痛コントロールなどを行います。
リハビリテーション
術後経過に問題なければ、術翌日から離床します。患者ごとに担当の理学療法士や作業療法士がつき、リハビリを行います。病棟でも看護師がリハビリを行うことがあります。
また、離床が難しい患者さんや経過が思うように進まない患者さんの課題解決に向けて、医師や療法士を交えてリハビリカンファレンスを行います。
化学療法・放射線療法
化学療法を行うと、悪心嘔吐・倦怠感・脱毛・感染症にかかりやすくなるなど様々な副作用が起こるため、全身状態の観察と管理が必要になります。点滴指示や副作用への対応も医師から細かく指示されています。
放射線療法は、皮膚症状を引き起こしやすいため照射部位の観察や皮膚ケアが重要になります。
整形外科でのがん治療は化学療法や放射線治療後に手術を控えており、なかには手足の切断などボディーイメージの変容を伴うことがあるのも特徴です。
医師・病棟看護師・外来看護師・緩和ケア認定看護師・栄養士・地域連携室など他職種と連携して治療を進めていきます。
救急入院の対応
骨折や脱臼などで救急搬送されてくることがあります。また、ベッドが空いていると他科の救急入院を受け入れることもありました…。
退院支援
術前より術後のほうがよくなって退院する患者さんが多いですが、禁忌肢位やADL低下などの理由で自宅環境を整えたりサービス調整が必要な患者さんもいます。リハビリ継続目的で他院への転院調整を行うこともあります。
整形外科病棟で必要な看護技術・身につけば他科でも使える!
創傷処置
術後の検創で医師の介助につくことも多いので、創部の消毒や保護剤には詳しくなります。
移乗の介助
ベッドから車椅子、車椅子からトイレなど、術後の患者さんの状態に応じて移乗方法を指導するので、ベッドや車椅子をどう配置すればよいか具体的に考える力が身に付きます。
包帯・三角巾・コルセット・シーネ・ギプスの管理
他科では扱い慣れていないことも多いアイテムたちです。使い方を知っておけば損なし!
疼痛コントロール
術後の疼痛コントロールは必須です。離床やリハビリのタイミングで動きやすいように、内服・点滴・座薬・貼付薬・軟膏などを駆使しています。
整形外科病棟の看護師・Q&A
私が実際に整形外科で
働いていたことをもとにお答えします
整形外科は急変や看取りは少ない?
他科と比べると少ないです。基礎疾患を多く持っている患者さんやがん患者さんの急変や看取りはあります。
整形外科のドクターってどんな人?
学生時代にスポーツをやっていた人など体育会系のサバサバした先生が多い印象です。
看護師にもスポーツ経験者は多いように思います。
整形外科はどんな人が向いている?
- テキパキしている人
- 体力に自信のある人
- コミュニケーションが好きな人
- スポーツや筋トレが好きな人
手術件数が多いので時間管理をしっかり行い、テキパキと仕事を進めていける人は向いていると思います。術後は移乗動作などでADL介助を行うことも多いので体力も必要です。また、スポーツをしていた人は骨や筋肉など興味の持てる分野だと思います。
内科病棟から外科病棟への転職はできる?
転職は可能です!
業務内容は違うことも多いですが、整形外科でも内科での経験はかなり活かせると思います。
当時、整形外科しか経験のなかった私は、内科から異動してきたスタッフに教えてもらうことも多かったです。
異動してきたスタッフも数カ月後には術前後の管理など行えるようになり戦力になっていました。
まとめ
- 整形外科病棟は手術だけでなく、術後のリハビリや化学療法の看護も学べる
- 小児から高齢者まで幅広い年代と関われることも魅力のひとつ
- 内科など他科からの転職も可能
外科といってもさまざまな科があります。今回は整形外科病棟を例にご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
具体的な業務内容を知ることで病棟選びの幅も広がると思いますので、参考にしてみてくださいね。
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